『根管治療』とは、いわゆる「根っこの治療」「歯の神経の治療」と呼ばれるものです。
根管治療には『抜髄』と『感染根管治療』とがあります。
細菌が根の先にいるため、治療期間が長くなる傾向があります。
いずれも、痛みを取り除いたり、歯を残すために大切な治療です。
歯茎より上に露出している部分を『歯冠』といい、歯茎に埋まっている部分を『歯根』といいます。
『根管』とは、「歯根管」ともいい、歯根の中軸にある細い管状の部分です。
根管の中には神経や血管を含む『歯髄』という組織が入っています。
このとき、虫歯に侵されている歯質もきれいに削って取り除きます。
そしてファイルやリーマーという、まち針のような形をした器具で、細菌に感染した歯髄を取り除いていきます。
さらに薬も使ってきれいに洗浄・消毒します。
この後、根管の中に薬を入れた状態で、仮のふたをして1週間ほどおいておきます。
1週間おきに薬を交換し、完全に根管内をきれいにしていきます。
この間、何度か通わなくてはいけないのですが、途中で治療を中断したり、期間をあけ過ぎてしまってはいけません。
せっかく少なくなってきた細菌が増殖し、ふりだしに戻ってしまいます。
根管内が完全にきれいになったのを確認したら、最後に生体に安全な歯科治療専用のシーリング剤を根管内に充填し、再び細菌が根管内に入らないようにします。
これで根管治療は完了です。
この後、根管に芯を立て、土台を作ってかぶせを装着するようになります。
根管治療自体は、早い場合には2〜3回、長い場合には1年以上かかってしまう場合もあります。
なぜ治療期間に差が出るのかは、感染の状態や細菌の種類・使用する薬との相性・患者様の体調や免疫力などさまざまな理由が考えられます。
疑問に思ったときは、担当の歯科医師に遠慮なくご質問ください。
自然に治癒することはないので、早めの治療が必要です。
そうなると上記のようなデメリットに加え、治療期間も長く、費用もかかることになります。
日頃のケアに気を付け、虫歯や歯周病を予防すること、定期的に歯科医院へ通って早期発見・早期治療に努めることが大切です。