入れ歯(義歯)

何らかの理由で歯を失った場合、歯を新しく入れなおす場合「入れ歯」を用いる事もあります。数本の歯を入れる事も、全部入れ替える事もできますが、入れ歯の種類や材質によって、使用感やお手入れ方法に違いがあります。
部分入れ歯
歯グキにかぶせた床と自然歯にひっかけたバネで支えます。床の材質は、保険のきくレジン床や金属床。
クラスプは、金属パラジウム合金(歯科材料として主に使用される金属)や歯科用ステンレスを使用します。
総入れ歯
上あご用の入れ歯と、下あご用の入れ歯があります。歯茎に床を吸着させて安定させます。材料は、レジン床と金属床の2種類となります。
レジン床:一般的な保険がきく入れ歯でプラスチック製です。
強度を保つために床の部分が厚く、少し違和感がある場合もあります。
金属床:保険がきかないので価格は高めになっています。しかし強度があり、薄く作る事もできる金属を使っているので、違和感なく使用できるタイプです。
部分入れ歯と総入れ歯の共通の「歯」として、プラスチックで作る「レジン歯」。
比較的柔らかく、年数劣化ですり減ります。
セラミックで作る「陶歯」。
自然な硬さや質感がありますが、強い衝撃で割れる事があります。
入れ歯についてよくあるご質問

Q:入れ歯は熱湯で洗った方がいいの?
A:多くの入れ歯はレジンというプラスチック素材でできているので、60度以上のお湯だと
変形してしまします。熱いお茶などを飲んでも大丈夫なのか、と心配になる方もいますが、
お茶などは通常口に入る時には60度くらいになっているので大丈夫です。
Q:専用のブラシや入れ歯洗浄剤でも落ちない汚れは?
A:一度ついてしまった汚れや着色はなかなか落ちにくいものもあります。無理に取ろうとすると、入れ歯を破損してしまいますので、歯科医院に行って取ってもらいましょう。
Q:入れ歯は普通の歯磨き剤で磨いていいの?
A:普通の歯磨き剤には研磨剤が入っており、大切な入れ歯に細かい傷をつけてしまいます。
そしてその傷の奥に細菌が入り、匂いの原因菌になってしましますので、入れ歯には専用の洗浄剤をお使いください。
Q:入れ歯の洗浄頻度は?
A:毎食後、洗浄しましょう。
それが難しい場合は、1日1回でも入れ歯をきちんと外し、適切な洗浄剤でしっかり洗いましょう。「つけおき洗い」の場合は、効果を出すためと衛生的に良くないため、洗浄液を毎回変えるようにしましょう。
Q:入れ歯の安定剤は使った方がいいの?
A:入れ歯に少しの不具合や違和感がある時に安定剤を使用してみると、状態が緩和されます。
安定剤は一時しのぎなので、状態がひどい場合は早めに歯科医院に相談してください。
Q:入れ歯を使っている人は多いの?
A:現在、およそ5人に1人が入れ歯を装着しているといわれています。
高齢化が進みにつれ、入れ歯の装着人口は今後も拡大していくことでしょう。
Q:入れ歯を入れているのは、高齢者だけ?
A:そんなことはありません。
歯はストレスや全身の疾患からの影響も多く受ける部分です。
口腔内の病気(例えば歯周病)で歯を失い、30代で入れ歯を入れる事になった人もいます。入れ歯は、もはや現代社会の生活の一部になっていて、「特別」なものではありません。
『噛む』事が健康の要
歯は、健康の要です。
しっかり食べて体に栄養を取り入れるためにも、重要な役割を持っています。
定期的に歯科検診でメンテナンスを受ける事から始め、必要に応じて「入れ歯」の使用を検討し、いつまでも楽しく充実した食生活を送れるようにする事が大切です。
まずは、かかりつけの歯科医院を持つ事から始めましょう。